ポール・チェンバースのウォーキングベースラインを、コピー譜から分析

ポール・チェンバースのウォーキングベースラインを、コピー譜から分析 JAZZ BASS TIPS

ベースの tacama です。
ライブハウスなどで、ジャズを20年演奏しています。

YouTube と Instagram の方にも投稿しています。

ぼくは、コピーした楽譜をこんなふうにファイルにとじています。

この記事では、この中からポール・チェンバースのベースラインを少し抜粋して、分析・解説をしてみたいと思います。

ポール・チェンバースのベースラインを、コピー譜から分析

曲は John Coltraneの「Mr. P.C.」

1コーラス目を分析・解説します。

John Coltrane "Mr. P.C."

» 収録アルバム「GIANT STEPS」

ベースラインを譜面におこすと、こうなります。

1小節目「Cm7」

コードトーンを基本にベースラインが作られています。

2音目に「2度」の音がきていることに注意します。
「1度→2度→3度」というベースラインの運びは便利ですので、おぼえておいてください。

コードトーンに自信のないかたは
ピアノ以外の楽器のかた向け、コードトーンの覚え方【キーボードを使います】
の記事も参照してくださいね。

2小節目「Dm7-5 - G7」

G7は「B」の音がターゲットです。
G7で「G」の音が使われていないことにも着目します。

3小節目「Cm7」

1小節目とほぼ同じですね。

4小節目「C7」

2音目の「A」は、5小節目の「Ab」へのクロマチックアプローチ(半音階)です。

もう一度、さきほどのコピー譜を載せます。

5-6小節目「Fm7」

2小節にわたって Fm7が続きます。
苦手なかたも多いはず。

このベースラインのように、それぞれの小節のアタマの音を、別々のコードトーンにすると、スムーズに作れます。

7-8小節目「Cm7」

Cm7が2小節です。
直前の解説と同じことが言えます。

最後の「Bb」は、次の小節へのアプローチです。

9小節目「Ab7」

コードトーンのみで作られています。

この部分は、元々は Cm7へ向かうマイナーツーファイブの Dm7-5です。

ただこの譜面のように、マイナーブルースの場合は、裏コードの Ab7へいくことがほとんどです。
こちらでおぼえてしまいましょう。

ツーファイブワンの知識があやしい方は
ツーファイブワンをスタンダードのコード進行から探してみよう【曲の分析力アップ】
も読んでみてください。

10小節目「G7」

コードトーンのみです。
次の小節のアタマの音「C」を意識したベースラインになっています。

11小節目「Cm7」

3-4拍目は、次の小節の「G」への、クロマチックアプローチです。

12小節目「G7」

臨時記号のナチュラルがついています。

これは「G ミクソリディアンスケールを想定した」と考えるか、「C メロディックマイナースケールを想定した」と考えます。

スケールについては
ジャズのベースを弾くうえで、最低限知っておきたいスケール【理論】
もご覧ください。

以上、参考になりましたでしょうか。

ジャズのベースラインの作り方は
ウォーキングベースラインを作るコツ・音選び【ジャズ初心者向け】
にも書きましたので、こちちらも読んでみてくださいね。

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