ぼくは、コピーした楽譜をこんなふうにファイルにとじています。
この記事では、この中からポール・チェンバースのベースラインを少し抜粋して、分析・解説をしてみたいと思います。
ポール・チェンバースのベースラインを、コピー譜から分析
曲は John Coltraneの「Mr. P.C.」
1コーラス目を分析・解説します。
John Coltrane "Mr. P.C."
ベースラインを譜面におこすと、こうなります。
1小節目「Cm7」
コードトーンを基本にベースラインが作られています。
2音目に「2度」の音がきていることに注意します。
「1度→2度→3度」というベースラインの運びは便利ですので、おぼえておいてください。
コードトーンに自信のないかたは
「ピアノ以外の楽器のかた向け、コードトーンの覚え方【キーボードを使います】」
の記事も参照してくださいね。
2小節目「Dm7-5 - G7」
G7は「B」の音がターゲットです。
G7で「G」の音が使われていないことにも着目します。
3小節目「Cm7」
1小節目とほぼ同じですね。
4小節目「C7」
2音目の「A」は、5小節目の「Ab」へのクロマチックアプローチ(半音階)です。
もう一度、さきほどのコピー譜を載せます。
5-6小節目「Fm7」
2小節にわたって Fm7が続きます。
苦手なかたも多いはず。
このベースラインのように、それぞれの小節のアタマの音を、別々のコードトーンにすると、スムーズに作れます。
7-8小節目「Cm7」
Cm7が2小節です。
直前の解説と同じことが言えます。
最後の「Bb」は、次の小節へのアプローチです。
9小節目「Ab7」
コードトーンのみで作られています。
この部分は、元々は Cm7へ向かうマイナーツーファイブの Dm7-5です。
ただこの譜面のように、マイナーブルースの場合は、裏コードの Ab7へいくことがほとんどです。
こちらでおぼえてしまいましょう。
ツーファイブワンの知識があやしい方は
「ツーファイブワンをスタンダードのコード進行から探してみよう【曲の分析力アップ】」
も読んでみてください。
10小節目「G7」
コードトーンのみです。
次の小節のアタマの音「C」を意識したベースラインになっています。
11小節目「Cm7」
3-4拍目は、次の小節の「G」への、クロマチックアプローチです。
12小節目「G7」
臨時記号のナチュラルがついています。
これは「G ミクソリディアンスケールを想定した」と考えるか、「C メロディックマイナースケールを想定した」と考えます。
スケールについては
「ジャズのベースを弾くうえで、最低限知っておきたいスケール【理論】」
もご覧ください。
以上、参考になりましたでしょうか。
ジャズのベースラインの作り方は
「ウォーキングベースラインを作るコツ・音選び【ジャズ初心者向け】」
にも書きましたので、こちちらも読んでみてくださいね。