「ウッドベースとコントラバスって同じ楽器なの? 違う楽器なの?」
この楽器を始めたばかりのかたや、一般のかたからすると、気になることですよね。
■ 結論
じつは、まったく同じものです。
1ミリも違いはありません。別称ですね。
ただ「コントラバス」というとクラシック音楽で使われることばのイメージです。とくにヨーロッパ。
かたや「ウッドベース」というと、ジャズやポップスでこの楽器をさすときに使うことが多いです。
- コントラバス … クラシック
- ウッドベース … ジャズやポップス
ということですね。
ちなみにアメリカでは「ダブルベース / Double Bass」と呼ぶのが一般的です。
結論は書いてしまっていますが、この記事ではせっかくなので、この「クラシックとジャズやポップスのでの扱いの違い」について書いていこうと思います。
いくつか違うことがあるんです。
ウッドベースとコントラバスの違い【クラシックとジャズ・ポップス】
プレイヤー目線で書いていきます。
演奏面での話ですね。
弓で弾くことの多さ
一番の違いは「弓で弾くか、指で弾くか」です。
それと、それぞれの頻度(ひんど)。
右手の話ですね。
たとえばクラシックとジャズでいうと、両方のベーシストとも弓で弾くし指でも弾きます。
ただ、クラシックでは弓で弾くことが多く、ジャズやポップスでは指で弾くことがメインになります。
ちなみに指で弾くことを「ピッチカート / Pizzicato」といいます。
ピチカートといったり、Pizz と略されたりもします。
ジャズのベーシストで、まれに弓をまったくやらないひともいますが、たとえばぼくなんかは弓、けっこう好きです。
また指での弾き方も微妙に違います。
クラシックでは楽器の中ほどで弾きますが、ジャズやポップスではかなり下の方で弾きます。
中ほどで弾いた方が、音が音が柔らかくなり、包み込むようなサウンドになります。
いっぽう下の方で弾くと、もう少しエッヂのきいた音になります。かたい音ですね。
ジャズやポップスでは音の輪郭(りんかく)を求めます。
ジャンルで求められる音が違うの、おもしろいですね。
弦が違う
楽器に張る弦も違います。
クラシック用とそれ以外のポピュラー用があります。
クラシック用の弦でジャズのように指で弾くと、少しこもった音がします。
ですので、通常ジャズミュージシャンはクラシック用の弦はさけます。
ただ弓で弾くとものすごくキレイな音が出ます。ふくよかで芯があって。
クラシックでは「オリジナルフラットクローム」を張っているかたが多い気がします。
ぼくは、クラシック用ではベルカントも好きです。
いまぼくが張っている弦はスピロコアのライトゲージです。
この弦はジャズベーシストのユーザーが多いですが、ベルリンオケのコントラバスパートも使っているらしいですよ。
アンプを使うかどうか
クラシックでは、まずアンプを使うことはありません。
ジャズやポップスなどでは使うのが当たり前になっています。
ドラムやエレキギターと演奏することが多いからですね。
ぼくは機材を工夫して、なるべく生音に近くなるようにセッティングしています。
このあたりのことは他の記事にも書きましたので、ぜひ読んでみてくださいね。
数人で弾くかどうか
クラシックというとオーケストラのイメージがありますよね。
オーケストラのコントラバスは必ず数人のチームで演奏します。
お客さん側から見て一番右の奥にベースチームがいますよ。
コントラバスの人数に決まりがあるのか、ちょっと調べてみたのですが、どうも曲に寄るようです。
通常の曲では4~8人といったところでしょうか。
クラシックには「ソロ」がある
ちなみにクラシックでは、コントラバスがひとり主役になって演奏することもあるんですよ。ピアノやオーケストラが伴奏します。
これの形態を「ソロ」と呼びます。
ぼくの好きな演奏家の YouTube はっておきますね。
ジャズなどはひとりで担当
対してジャズやポップスなどではバンドでひとりが基本です。
この辺はエレキベースと同じです。
ひとりで低音を担当しなければいけないのでアンプが必要になる、ともいえますね。
せっかくなので、ジャズの YouTube もはっておきます。
ウッドベースとコントラバスは、好きな方で呼ぼう
上に書いたこと以外は、基本まったく同じです。
ヘ音記号を読むことは同じだし、教則本も同じ。
「低音で伴奏する」という仕事内容も同じですね。
ほかには修理にもっていくお店も同じです。
運ぶのが大変なのも同じ。
左手のフォームもまったく同じです。
もっというとフォームは右手以外まったく同じですよ。
先生も同じことが多い
ちなみにぼくはクラシックの先生に習いました。
ジャズのベーシストには多いことです。
このことからもウッドベースとコントラバスが同じことがわかりますね。
記事はここまでです。
お互いもっともっとウッドベース、コントラバスの世界を楽しみましょうね。
ウッドベース・コントラバスをこれから始めるかたは、
ウッドベースの始め方、独学の練習法【初心者から中級者になるまで】
のページもどうぞ。