ジャズのエンディングには、いくつかの方法・やり方があります。
ここでは、いわゆる「ギャクジュン」と呼ばれる方法を説明してみます。
ギャクジュン(逆循?)の演奏方法
まず、こんなコード進行があるとします。
「CM7」のところでメロディが終わります。
終わるのをもったいぶる
あっさり終わる(カットアウト)のはアレなので、エンディングとして曲を引き伸ばそう、と考えたとします。
最後のコードである「CM7」を「Em7」に替えます。
「Em7」は代理コードです。
コードトーンが3つ被ってますね?
偽終止
ちなみに、これを「偽終止」いいます。
こうすることで、まだ続く感がでます。
ドミナントコードの挿入
そして「Em7」の次の小節に、一番左の「Dm7」に戻るためのコードを入れます。
何が入るか分かるでしょうか?
正解は、
「A7」
です。
「Dm7」に対するドミナントコードですね。
あとはリピート
そして、できあがったコード進行をグルグル繰り返します。
これで好きなだけ、曲を伸ばすことができるようになりました。
終わたくなれば、「CM7」を弾くことで終わらせることができます。
もしかしたら語源
できあがったコード進行をよく見てみると、「2-5-3-6」になっていますね。
これは「3-6-2-5」の前後が入れ替わったカタチです。
ぼくはこれが「ギャクジュン」という言葉が当てられたルーツでは、と考えています。
循環コードの逆。
もうひと盛り上がり
以上、ジャズのエンディング方法のひとつ「ギャクジュン」を説明してみました。
納得できましたでしょうか。
このエンディングとして伸ばした部分が、かなり長くなってしまうこともあります。
ひと盛り上がりしても全く問題ありません。
たとえば、
マイルス・デイヴィスの「If I Were A Bell」など、それぞれのソロの終わりでこれをおこなっています。
ぜひ聴いてみてください。
» Relaxin' with the Miles Davis Quintet/マイルス・デイヴィス・クインテット
それでは以上です。
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