ベースの tacama です。
ジャズ演奏歴 20年です。
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この記事では、音楽におけるベースの役割について書いていきたいと思います。
ベーシストの役割。
「縁の下の力持ち」的なパートというのが一般的だと思いますが、その先へもいける楽器だと思っています。
そのあたりのことも書きます。
音楽におけるベースの役割
役割はいくつかあります。
伴奏楽器である
まずはやはり伴奏楽器であるということです。
メロディを担当する歌やサックス、バイオリンなど、フロント楽器のひとたちが、気持ちよく演奏できるよう伴奏してあげる役割です。
楽譜上は簡単
ですので、本来あまり複雑なことをする必要はありません。
コードのルート音を中心に、少ない音数(おとかず)で弾くのが仕事です。
ただしその仕事をかっちりおこなわないといけません。
テンポ的によれてはいけませんし、音を間違えてはいけません。
ロン・カーターがマイルス・デイビスにいわれたこと
ジャズの話になりますが、かつてマイルス・デイビスは、器用したロン・カーターに対して「間違えないこと」を強く要求したようです。
考えてみれば、自分が伴奏される側だとして、テンポがよれたり音を間違えるベーシストは、ちょっと困ってしまいますよね。
バンドの推進力
ポップスやロックでは、ドラマーと協力してバンドの推進力を生み出します。ジャズではベース単独でそれを担当します。
すぐれたベーシストのいるバンドは、グイグイ前に進むグルーブがあり、一緒に演奏するメンバーの音楽的創造性をふくらませます。
コード決定権
ベーシストにはコードを決める役割があります。
ベーシストが弾く音によってコードが変わってしまいます。
CM7 が Am7 に変化
たとえば、ピアニストが C,E,G,B を弾いたとします。
ベーシストが 低いC を弾けば、もちろん CM7 のサウンドになります。
ところが 低いA を弾いた場合、Am7(add9) となります。
逆にいえば、ベーシストはそのコードのルート音を期待されてるとも言えますね。
全体の音の厚み
前に観た動画で、オーケストラのコントラバスパートのある無しを比較するものがありました。
結果はわかりやすかったです。
無い方はなんともさみしいサウンドだったのが、コントラバスを加えるととても広がりのあるサウンドになりました。
ポップスやロックなどでも、ベースを抜くと締まりの悪いサウンドになります。
ベースの役割を超えて、音楽をつくる
上では伴奏楽器としてのベースを見てきましたが、メロディ楽器としてもじゅうぶん活躍することができます。
「ジャコ・パストリアス」と「ゲイリー・カー」
エレキベース界ではジャコ・パストリアス、コントラバス界ではゲイリー・カーというパイオニアが、ベースという楽器を根本から変えてしまいました。
メロディが弾けるフロント楽器として、ベースが十分その資質があることが知られるようになりました。
彼らパイオニアのおかげもあって、近年はフロント楽器と対等にわたりあえるベーシストが数多く活躍しています。有名なところでいうと、
楽器の進化
エレキベースの多弦化
楽器も進化しています。
エレキベースは多弦化と言ってよいのか、どんどん弦の数が多くなっていっています。
最近は6弦ベースは珍しいものではなくなってしまいました。
どんどん表現できる幅が増えていっています。
ウッドベース / コントラバス弦のガット指向
ウッドベース / コントラバスは弦の進化が著しいです。
これまで金属弦が主流でしたが、今後はナイロン弦が主流になっていくと思います。
メロディとして聴こえのよい、キレイな音色の弦が増えています。
ナイロン弦については、
ウッドベース向け、ナイロン弦まとめ【ジャズ歴20年のぼくがおすすめ】
に詳しく書きましたので、参考にしてください。
記事は以上です。
ベースの役割は今後ますます広がっていくと思いますので、みなさんも注目していてくださいね。