ぼくは、ジャズの勉強にジャムコンセプションシリーズをオススメしているのですが、取り組んでいるから、よくこんな質問を受けます。
「このフラットって、なんでついているのですか?」
今回はこのことについての話です。
親切のための臨時記号
ちなみに、音符につけるフラットなどの記号は「臨時記号」といいます。
一番左についているのは「調号」といい、これと区別します。
間違えないようにするため
さて、結論からいうと、上の画像のフラットは「間違えないようにするため」の臨時記号です。
親切の書き込み
もちろん、このフラットが無くても調号により指示があるので、この「レ」はフラットしなくてはいけません。
しかし実はこの譜面、1小節前にレがナチュラルしていたのです。
それで、
「前の小節に引きずられて、こちらもナチュラルしないでね」
という意味のフラットなわけですね。
つまり、親切心からついてる臨時記号といえます。
譜面には優しさを詰め込むと良い
今回の臨時記号のように、譜面には優しさを加味してあげると、とても読みやすくなります。
簡単なところでいうと、
- 4小節で改行する
- リハーサルマークをつける
- 手書きなら、音符の玉の大きさや位置
- 繰り返し記号、コーダマークの位置の工夫
こういったことを意識して、「もっと読みやすい譜面がつくれないだろうか」と考えると良いです。
そうすれば、リハーサルがスムーズに進みますし、本番のミスも少なくなるでしょう。
丁寧に作られた楽譜は、きっと読むひとにも伝わるので、ぜひ工夫してみてくださいね。
楽譜は、そもそも情報量が少ない
今回は臨時記号から、譜面の読みやすさにまで少しふれてみました。
そもそも楽譜って情報量が少ないです。
基本的に音の高さとリズムくらいしか書いてありません。
それと簡単な強弱記号くらいです。
「だんだん強く」というのは、どれくらいから、どれくらいまで強くするのか。
このリタルダントは、ゆっくりになる程度はどのくらいか、どの音からか。
こんなようなことは、まず譜面には書かれないでしょう。
でも演奏にとっては重要なことです。
特にジャズやポップスの譜面は、これらの情報は皆無といえます。
なので、もし伝えたい情報があったら、きちっと文字にして伝えるのもありですよ。
ぜひ譜面には優しさや思いを乗せて、演奏者に渡すようにしてみてくださいね。
それでは以上です。
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