ベースの tacama です。
ライブハウスなどで 20年ジャズを演奏しています。
ぼくの演奏は YouTubeで聴けます。
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■ウッドベースの脱力の問題
ウッドベース・コントラバスでは「脱力」がしばしば問題になります。
脱力とはリラックスしている状態です。
脱力の逆は、力んでいることです。
力んでいるとケガの元にもなります。
ぼくも昔おもいっきり力を入れて練習していたときに、指の関節を痛めてしまいした。
いまでもたまにうずきます。
■ 脱力はわかりづらい
自分が脱力できているかどうかって、実際よく分からないですよね。
脱力のひとつのチェックポイントとして「その状態で 20分連続で演奏できるか」というのをよく生徒さんに伝えています。
このことをもう少し突っ込んで書いてみます。
ウッドベースの演奏で、脱力できているかのチェック方法
もう一度書くと、「20分ほぼ休憩なしで演奏できるかどうか」ということです。
ある程度テンポのある曲のウォーキングを想定しています。
なぜ 20分なのか
ジャズでは1曲は長くともせいぜい 20分です。
実際は 10分くらいが多いですね。
休憩なし
ベースは休みがないのが基本です。
力んでいると 20分演奏し続けるのは、なかなかしんどいはずです。
根性でできてしまうかもしれませんが、最後の方はグダグダでしょう。
しかもそれが毎曲なんて、楽しいはずの演奏が本末転倒です。
そう考えるとこの「20分弾き続けられるか」は、なかなか良い基準になると思います。
普段の練習で、たとえば♪=150~200くらいのウォーキングを弾いてチェックするようにしてみてください。
力んでしまったら
最初のうちはリラックスして演奏できるかもしれません。
でもむずかしい曲や速いテンポにチャレンジすると、ついつい力んでしまうと思います。
力みを自覚したら、意図的にリラックスをこころがけるようにします。
演奏をいったん止めてもいいです。
力んでしまった部分の力みを解いて、リラックスの状態に戻します。
完全に力みがとれたら、また演奏に戻ります。
次はリラックスの状態が少しでも長くなるように、意識して演奏するようにしましょう。
これを繰り返していると、だんだんリラックスのコツがつかめてきますよ。
脱力してウッドベースを弾けるようになると、どうなるか
脱力できていると、どうなるのか。
うまく脱力できるようになると、どうゆう世界が待っているのか。
知っておくと、逆算して「それを得るためにはどうしたらよいか」と練習内容を考えることもできます。
まわりの音が聴こえる
まわりの演奏者の音がただ聴こえるというのではなく、何を演奏しているのか細かく聴こえるということです。
お客さんとして聴いている状態と同じです。
共演者の演奏内容が聴こえると、その演奏に合わせた演奏をするようになるので、おのずと自分の演奏も変わってきます。
自分の音が聴こえる
共演者の音が聴こえると自分の音も聴こえてきます。
自分の音は聴こえていない
自分の出している音って実はあんまり聴けていないものです。
特に力んでいる演奏ではそれがハッキリあらわれます。
音程は正しいか、音の伸ばし具合はどれほどだったか。
細かい部分はけっこう聴こえていません。
ようは客観視できていないということです。
客観"聴"
脱力できていると、いいかえればリラックスして演奏できていると、客観視ができるようになります。
客観視というか客観"聴"ですね。
客観"聴"ができていると、文字通りお客さんの状態に近いです。
つまりお客さんとして聴きながら演奏している状態です。
ダブルで楽しい状態なのです。
記事はここまでになります。
脱力はずっと学び続けるものだといわれます。
技術だと思って磨いていきましょう。
ウッドベースの技術的なことは、
ウッドベースの始め方、独学の練習法【初心者から中級者になるまで】
にまとめてありますので、こちらもぜひ読んでみてください。