ジャズのソロでコード感を出すのって難しいですよね。
でも今回書く内容を気をつけると、たとえ一人でソロを弾いたとしても、コード進行がわかる演奏ができるようになります。
何に気をつけるかというと、
「曲のメインスケールに無いコードトーンを使う」
ということです。
くわしく話していきますね。
曲のメインスケールに無いコードトーンを使う【ジャズのソロのコツ】
例として「オールブルース」というスタンダードの楽譜を使って話していきます。
All Blues(オールブルース)
コード進行はこんな感じです。

「メインスケール」という言葉は、実は勝手に作りました。
何を表しているかというと、その曲の全体を支配しているスケールという意味です。
曲のキーと関係しています。
たとえばこの「オールブルース」では「Gミクソリディアンスケール」がそれに当たります。
■Gミクソリディアンスケール
さっそく難しい専門用語が出てきましたが、これはそれほど難しくありません。
Cメジャースケール(ドレミファソラシド)を「ソ」から始めたスケールのことを言います。
「ソラシドレミファソ」となりますね。
オールブルースは全体として、この「ソラシドレミファソ」に支配されています。
これを弾いていれば音を外しにくい、という捉え方でも大丈夫です。
今回の主張は、この Gミクソリディアン(ソラシドレミファソ)に "無い" コードトーンを積極的に使っていこう、という話なわけです。
コードトーンを確認
ひとまず、それぞれのコードの構成音を確認しておきましょう。
- G7 : G B D F
- C7 : C E G Bb
- D7 : D F# A C
- Eb7 : Eb G Bb Db
最初の8小節(G7)
この部分は、ずっと G7 が続きます。
「G7」はメインスケールの「Gミクソリディアンスケール」とセットの関係です。
なのでコードトーン4つともスケール内の音になります。
つまりこの4小節は「ソラシドレミファソ」を自由に弾いていたら良いわけです。
次の4小節(C7)
C7 のコードトーンを、もう一度確認してみます。
C7 : C E G Bb
今回の主張、「曲のメインスケールに無いコードトーンを使う」をかんがみて、「Bb」が積極的に使うべき音になります。
たとえば、コードの変わり目でいきなり「Bb」を弾いてみましょう。
C7感が出ますよ。
逆に「B♮」は弾かないようにします。
メインスケールとの "差" を出すのが大切になります。
※「Bb」や「B♮」の表記は、ちょっと違和感がありますが、伝わると思いますので、このまま続けます。
次の4小節(G7)
また G7 にもどりました。
なので「Bb」を使うのをやめて「B♮」にもどします。
次の2小節(D7)
D7 のコードトーンを確認します。
D7 : D F# A C
「F♯」の音がメインスケールに無いですね。
というわけで、この2小節では「F♯」の音を積極的に使います。
次の1小節(Eb7)
コードトーンを確認します。
Eb7 : Eb G Bb Db
おなじく「Eb」「Bb」「Db」の音が積極的に使うべき音です。
このコードが今回で一番難しいコードですね。
コード感は "差" を出すこと
上にも少し書きましたが、人間の耳がコードを感じるのは "差" があったときです。
この "差" を強く押し出していくことが、ジャズのソロにおいては重要になってきます。
もうひとつ付け加えておくなら、コードの変わり目を大切にします。
コードは変わった瞬間にガラッと音を変えます。
「少しくらい前のコードの音がかぶっちゃってもいっか」ということのないように気をつけましょう。
例外はもちろんありますが、最初のうちはこのことを大切にしてみてください。
それでは以上です。