ジャズ初心者におすすめの1曲、サムデイ・マイプリンス・ウィル・カム

ジャズ初心者におすすめの1曲、サムデイ・マイプリンス・ウィル・カム SONG

ベースの tacama です。
ライブハウスなどで、ジャズを20年演奏しています。

YouTube と Instagram の方にも投稿しています。

今回はジャズ初心者のかたに、1曲おすすめしたいと思います。

曲は
「Someday My Prince Will Come / いつか王子様が」
です。

 初心者におすすめの理由

  • ディズニーの有名な曲
  • 演奏メンバーが超一流
  • 録音状態が良い

この曲はディズニーの映画「白雪姫」に出てくる曲です。
きっと知っている曲だと思います。

ジャズ初心者におすすめの1曲、サムデイ・マイプリンス・ウィル・カム

演奏メンバー
  • マイルス・デイビス / Miles Davis (Trumpet)
  • ハンク・モブレー / Hank Mobley (Tenor Sax)
  • ジョン・コルトレーン / John Coltrane (Tenor Sax)
  • ウィントン・ケリー / Wynton Kelly (Piano)
  • ポール・チェンバース / Paul Chambers (Bass)
  • ジミー・コブ / Jimmy Cobb (Drums)

ぼくなりの聴きどころを解説します。
上の YouTube を再生しながら読んでくださいね。

メンバーの熱い演奏

まずはやはりこれを伝えたいです。演奏が素晴らしい。

独特な緊張感のある演奏です。
たとえて言うなら、「サッカーワールドカップの試合にのぞむ選手たち」のような雰囲気を感じます。
ピリッとしてるといいますか。

それぞれのソロも個性的でみんな良い。
それぞれの愛のカタチを表現してるように感じます。

イントロとエンディングはペダル

演奏の最初と最後はベースが同じ音を弾き続けます。
途中にも少しありますね。

これは「ペダル」といいます。

演奏の現場では
「ここ、ベースはペダルでください」
などと指示があります。
楽譜にも「Pedal」と書かれます。

コードをまたいで同じ音を弾いているわけですね。

ピアノソロの最終コーラスは半分だけ

ピアニストはウィントン・ケリーです。

彼のソロはなんと1コーラスと「半分」。
2コーラス目の残り半分は、後テーマが演奏されます。

このソロのサイズはかなり珍しいです。
マイルスの指示なのでしょうか。センスを感じる構成です。

この前にはマイルスのトランペットソロ、ハンク・モブレーのサックスソロがあります。
聴くひとによっては、少しダレてくる部分かもしれません。

もしかしたらそれを見越しての構成なのでしょうか。
さすがマイルスだなと思いました。

後テーマのあとに、コルトレーンのソロ

そして、そのあとにジョン・コルトレーンのソロが続きます。

ふつう、後テーマのあとは、ソロを新規にスタートさせることはありません。
エンディングにむかうのが通常です。

そこにコルトレーンのソロをもってくる。
コルトレーンへの熱い期待を感じますね。

この曲構成で、マイルスがどれほどコルトレーンの才能を認めてかが分かります。
自分のソロでなく、コルトレーンのソロで曲をしめる。
マイルスはプロデューサーとしても天才ですね。

テナーサックスが二人

よく考えれば、テナーサックスが二人います。
よくあるパターンでは、アルトとテナーでしょう。

しかし、ハンク・モブレーとジョン・コルトレーンは、同じ楽器とは思えないほど「音色」や「演奏のアプローチ」が違います。
このふたりだからこそ、成立する曲構成なのでしょうね。

ベースパターンの変化

ベースはポール・チェンバース。
チェンバースはウォーキングにいったり、いかなかったりを繰り返しています。

ふつう、ウォーキングに移行した場合、そのコーラスはずっとウォーキングをすることが多いです。
でもチェンバースは長い音符にもどります。
その振り分けが素晴らしいです。

曲に緩急がでますし、上で弾くソリストも「ストーリー」を作りやすいでしょうね。

また、コルトレーンソロのときだけ、ベースラインがメロディアスになります。
ぼくはこの部分で心がギュッとなります。

エンディングのダイナミクス

エンディングもオチャメですね。
三人でだんだん小さくして、「仲良しかっ」ってツッコミたくなります。
実際、仲良しなんでしょうね。

この部分も、少人数のコンボではあまり見られない表現です。

アルバムの他の曲もいい

アルバムの他の曲もいい

Someday My Prince Will Come のはいっているアルバムは、同じ名前の「Someday My Prince Will Come」です。
アルバムの他の曲もすごくいいですよ。

Pfrancing

ブルースです。
でも完全にジャズのブルース。
ジャンルでいう「ブルース」感は、まったくそこにはありません。

Old Folks

ハンク・モブレーのソロがすごくいいです。
大人にしかできない演奏といった感。

以前 Twitter でも紹介しました。

Teo

ドラムのジミー・コブの音色がたまらないです。ずっと聴いてられます。

Someday My Prince Will Come のドラムも、ぼく的には最高です。
チェンバースとのリンクした感じが気持ちいいですよね。

ぜひ、他の曲も聴いてみてくださいね。このアルバムです。

また別記事でディズニーの曲をまとめましたので、そちらもぜひ読んでみてくださいね。
» ジャズスタンダードの中のディズニーの曲【レパートリーにしましょう】

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