コントラバス(ウッドベース)の楽器の高さ設定について書いていきます。
エンドピンの話ですね。
一応、ピッチカートがメインのジャズ系ベーシストにむけて書きます。
アルコがメインのクラシック系のかたは、基本同じですが、多少考え方が違ってくるでしょう。
楽器を低過ぎる状態にしているかたが多いので、今回を機に検討し直してみてください。
コントラバス/ウッドベースの、楽器の高さの決め方

結論から書くと、
「指板下10cmに楽にアクセスできる楽器の高さが理想」
と考えています。
指板下10cm
指板の端から10cmが、ピッチカートで弾く場合に一番良い音が鳴ります。
音に適度にエッジがあって、弦のテンションもあります。
テンションは重要で、適度にあった方が続けて弾く場合に有利です。
指板端と駒の真ん中でない
別記事で、
弓の角度と毛を当てる位置について【コントラバス/ウッドベース】
という文章を書きました。
そちらで、
「弓は指板端と駒の真ん中くらいを弾くべき」
と書きました。
矛盾するようですが、先に書いた文章は「指板下10cmに楽にアクセスできる高さ」と「楽に」という言葉を入れました。
つまり、少し腕を伸ばせば弓のポジションへもアクセスできる状態です。
言い方を変えると、弓で弾くには少し楽器の高さが低い、ということになります。
なぜこんなめんどうな位置決めをしているかというと、われわれ日本人は欧米人に比べて腕の長さが短いからです。
左腕のしんどさと相談
日本人でも腕の長いひとは、これほど高さ設定で悩まないはずです。
どうゆうことかというと、腕の短いひとが右手を優先して楽器の高さを上げると、今度は左腕がしんどくなるのです。
腕を上げ続けるのってしんどい
試しに、いま目の前に腕を伸ばしてみます。
10秒くらいなら難なくできると思いますが、これを10分と言われるとどうでしょう。
コントラバスとは、そうゆう楽器なのです。
腕を高く上げれば上げるほどしんどいので、なるべく高くあげたくないのです。
なので結局、楽器の高さは、
「右手の弾きやすさ」と「左腕の楽さ」の妥協点を探すことになります。
そのひとの腕の長さで適切な高さが変わるわけですね。
「1フレットが目の高さ」は微妙
たまに「1フレットを目の高さになるように」と書いてあるのを見かけます。
しかしこのやり方は、今回の説明で、だいぶ適当な設定の仕方だとわかるでしょう。
ゲイリー・カー推奨の高さ
ちなみにクラシックのパイオニア、ゲイリー・カーは、
「楽器を自分の横に立たせて、指のつけ根あたりに駒がくる高さが適切」
と、教則本に書いています。
これも腕の長さを基準にしたやり方です。
ただ、ゲイリー・カー自身が腕が長いことに注意です。
ぼくはこのやり方だと、ちょっと高過ぎることになってしまいます。
腰の健康にも気を使う
ある程度、低めにして腰を折るやり方もスタンダードです。
クラシックのかたたちは基本腰を折るようです。
ぼくもそう習いました。
国立芸大の先生なので、かたよった話ではないと思います。
ヒヤマノートの写真の先生も腰を曲げていらっしゃいますね。
大阪フィルの先生です。
ただコントラバス奏者に腰痛持ちが多いのも事実です。
腰痛持ちのひとから言わせると、腰を曲げた状態が一番しんどいそうです。
高さ設定は慎重におこないましょう。
演奏フォームはかなり重要

演奏フォームって本当に重要です。
上手な演奏家を見つけたら、細かい点までチェックするといいですよ。
- 目線はどちら方向か
- 楽器とどのくらいの角度で接しているか
- 脚はどうか
- つま先はどちらを向いているか
上手くなるために、がんばって研究していきましょう。
フォームの大切さについては、
フォーム・姿勢の大切さ【楽器/筋トレ/ウォーキング/健康など】
という文章も書きました。
それでは以上です。
また別の記事で。
この文章は、
ジャズのウッドベース「右手」関連のブログ記事まとめ【弾き方・コツ】
に格納しました。