ジャズはもともとはアメリカの黒人の文化から生まれた音楽です。
しかし現在は世界中の国々で演奏されています。
この記事では、その演奏に、自身の国のアイデンティティがあふれでている演奏家を紹介しようと思います。
ぼくからすれば、彼らは自身のアイデンティティをしっかり表現できていて、とてもうらやましいです。
また別の見方をすれば、そんな多様なアイデンティティを受けいれてくれるジャズという音楽って、フトコロ深いですね。
国を感じるジャズ5選+α
アメリカ出身以外のアーティストを紹介します。
ミシェル・ペトルチアーニ(ピアニスト、フランス)
アルバム「Both Worlds」より。
とてもエスプリを感じませんか?
圧倒的な音楽性と演奏技術。
サックスのステファノ・ディ・バティスタの演奏も圧巻です。
フランスのジャズもすごく素敵ですよね。
ミシェル・カミロ(ピアニスト、ドミニカ共和国)
アルバム「Calle 54」より。
シンコペーションの嵐。
カリブ海の情熱が伝わってくるようです。
ドラムのオラシオ・エルナンデスが、涼しい顔をしてとんでもないことをしているのが印象的です。
ちなみに彼はキューバ出身。
ラーシュ・ヤンソン(ピアニスト、スウェーデン)
アルバム「In Search Of Lost Time」より。
スウェーデンの静かな森と冷たい海が見える気がします。
ヒルダは彼の孫だそう。家族への深い愛情を感じますね。
ぼくはこの演奏を聴くとなぜか涙がでてきます。
アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト、イスラエル)
アルバム「Adama」より。
イスラエルから単身NYへ渡り、苦労の末、成功したベーシストです。
むかしぼくがNYへ旅行へいったとき、カフェにいたイスラエル人に話しかけられました。
アヴィシャイ・コーエンのファンであることを告げると「彼はイスラエルで国民的スターだよ」とおしえてくれました。
ちなみに上のアルバムでは1曲チック・コリアが弾いています。
チック・コリアはアヴィシャイ・コーエンがスターになるきっかけになった人物です。
マイケル・ブーブレ(ボーカリスト、カナダ)
アルバム「It's Time」より。
カナダのアーティストも独特なものをもっている気がします。
アメリカのそれとはどことなく違います。
ロックのブライアン・アダムスもカナダ出身です。
なんとなくカナダを感じませんか?
フランス語も話すからかな?
【番外編】ブロッサム・ディアリー(ボーカリスト/ピアニスト、アメリカ ⇔ フランス)
アルバム「Blossom Dearie」より。
ブロッサム・ティアリーはアメリカで活動したあと、フランスに渡りました。
フランス語の録音もあります。
演奏を聴くと、なんとなくフランスの雰囲気を感じますよね?
ちなみに上のアルバム、ベースがレイ・ブラウンです。
包み込むようなベースです。
むかし耳コピ(採譜)しました。
ジャズという音楽は10秒で外国人と仲良くなれる
ジャズほど、知らないひととセッションしやすい音楽はないと思っています。
ジャズスタンダード
ジャズにはスタンダードという、よく演奏される曲の集合体があって、世界共通です。
ジャズミュージシャンはスタンダードを基本的に学びますので、たとえば初対面のひとと会って、すぐ演奏することも可能なわけです。外国人でも。
ぼく自身も、以前カナダからのミュージシャンと演奏した際に、英語なしで楽しく演奏できました。
ぼくの低い英語力も問題なのですが、ジャズではこういったことも気軽におこなえます。
日本人のアイデンティティってなんだろう
そんなボーダーレスなジャズなので、せっかくなら自分のアイデンティティをのせたジャズができればいいですね。
日本人のわれわれは、もっと自国の音楽を聴くべきかもしれません。
たとえば高橋竹山など、ご存知ですか?
記事は以上になります。