音楽と右脳【ジャズ演奏家の、ぼくの考え】

音楽と右脳【ジャズ演奏家の、ぼくの考え】 JAZZ TOPICS

こんにちは。ベースの tacama です。
ジャズ演奏歴 20年になります。

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この記事では「音楽と右脳」「演奏家と右脳」について、考えていることを書いてみようと思います。
右脳はイメージをつかさどると言いますから、音楽やアートとおおいに関係があるはずですね。

この記事の内容
  • 音楽と右脳【ジャズ演奏家の、ぼくの考え】
  • 右脳をどう鍛えるか
  • 音楽に左脳はいらないのか

音楽と右脳【ジャズ演奏家の、ぼくの考え】

音楽と右脳【ジャズ演奏家の、ぼくの考え】

音楽って機械的に演奏しても、聴くひとに何も伝えられないと思います。
ですので、何か感覚的なもの乗せて、聴くひとに届けなければいけません。

「感覚的なもの」

言いかえれば、その「感覚的なもの」を演奏者が持っている必要もあるわけです。
しかしこれは、だれしも持っているものだと思います。
これまで生きてきて感動したこと、心が動いた経験がその原資になります。

そういった心の機微(きび)が音に乗り、聴くひとの記憶にさわり、過去の心が動いた経験を呼びさまし、"いま" 感動する。
これが感動することの仕組みだと、ぼくは考えています。

ですので、「感動」は演奏するひとと聴くひとの共同作業なわけですね。

右脳≠言語化

そしてその「感覚的なもの」は通常あまり言語化されず、イメージとして頭のなかに浮かんでいます。
このときの頭のなかというのが、おそらく右脳にあたるのでしょう。

ぼくは脳のことに詳しくありませんが、言語化できないものを処理しているのが右脳、と考えています。

それを果実と呼んでみる

この感覚的なものやイメージを、今後は「果実」と呼ぶことにしたいと思います。

そのひとがこれまでの経験ではぐくんできたもの、好きなひとにシェアしたいなにか、もしくは生きる糧。
そういったものをさします。
「愛」といっていいかもしれません。

この心のなか・頭のなかの「果実」が音楽やアートにおいて、とても大切だと考えています。

そもそもそれ目当てで、ほとんどのひとが音楽を始めたはずです。
でもほとんどのひとが忘れている気がします。
書いてるぼくも、そんなひとりかもしれません。

豊かな果実にしたい

この果実ですが、多ければ多いほど、大きければ大きいほど、良い演奏ができると思っています。
伝えるものが豊かなわけです。

聴く側もそう。
果実が豊かなほど、きちんと受けとれる。

それでは自分の果実を豊かにするにはどうしたらいいのでしょうか。

右脳をどう鍛えるか

右脳をどう鍛えるか

3つ手段を伝えたいと思います。

小説

ひとつめは読書です。
特に小説です。

読書ばなれが進んでるといいますが、ぼく的には昔から、読むひとは読むし、読まないひとは読まないと感じています。

小説のいいところは、絵がないことです。
頭のなかで映像をつくらないといけません。
右脳の出番ですね。

そして小説は物語ですから、主人公など登場人物が経験したことを疑似体験できます。

主人公が悲しい経験をしたらぼくらも悲しくなるし、うれしい経験をすればぼくらもうれしい。
これが果実を育てるわけです。

本を読むひとは必ず、一生大切にしたい本をもっています。
もはやそのひとの一部になっています。
これはいい過ぎではなく、そのひとの価値観におおきく影響しています。
それくらい本や小説は人生を左右します。

(2020.07.26 追記)
おすすめの小説をまとめましたので、こちらもぜひお読みください。
» ジャズベーシストがおすすめする、心に訴える小説まとめ【自分的ランキング、重めの読後感】

美術館

ふたつめは、美術館にいくことです。

美術館に展示してある作品は、ひとつとして軽々しくつくられたものはなく、誰かが本気でつくったものです。
中には何十年もかかった作品もあるでしょう。
果実がつまっています。

作品の果実から、われわれの果実へ、よいものを移動させましょう。
いまの自分の果実レベルのすこし上の果実まで、受けとることができます。
高のぞみはする必要はありませんし、できません。

音楽

みっつめは、音楽をたくさん聴くことです。

演奏には意外にしっかり「そのひと」が出ます。

わんぱくな性格なのか、おっとりしているのか。
やさしいひとなのか、すこしきつい性格なのか。
それらもすべて、そのひとの果実ではないでしょうか。

いまわれわれは大量の音楽を聴くことができます。
そのすべてに果実があると思いますが、もし運よく大きな果実をみつけたら、しっかり自分の果実へ入れておきましょう。

音楽に左脳はいらないのか

音楽に左脳はいらないのか

とわいえ、右脳だけですべての音楽が成り立つわけはなく、左脳も大切になるでしょう。
音楽の場合、左脳は音楽理論の処理に使われていると言えそうです。

楽譜を読んだり、コードからスケールを選んだり。
このあたりに左脳がはたらいてそうですね。
いわば音楽の基礎の部分、枠組みの部分。

ということは、音楽の習得の過程は、左脳→右脳ともいえそうです。
上達すればするほど、感覚的なものを訓練しないといけなくなる感じは、確かにあります。
ちょっと上達のヒントになりそうですね。

記事は以上になります。
頭のなかの果実、ちょっと意識してみてくださいね。

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