ベースの tacama です。
ジャズ演奏歴 20年です。
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ジャズのピアノトリオの、おすすめを教えてほしい。
先日、こんな質問をいただきました。
今回の記事は、この質問の回答を載せたいと思います。
好きなピアノトリオの演奏はたくさんありますが、中でもベースがかっこいい演奏をピックアップしてみました。多分にベーシスト目線。
- ベースもかっこいい、ジャズピアノトリオの曲3選
- これらの曲が聴きやすい理由
- ドラマーにも注目
ベースもかっこいい、ジャズピアノトリオの曲3選
ピアノトリオってベースもかなり目立ちますよね。ぼく自身も、ピアノトリオの演奏はスリリングで大好きです。
今回紹介する演奏も、とてもスリリングでかっこいいです。まさに名演です。ぜひゆっくり時間をとって聴いてみてください。
Michel Petrucciani Trio - Home
Michel Petrucciani / ミシェル・ペトルチアーニ は、ぼくがその存在を知ってすぐ、亡くなってしまいました。
いわゆる小人症のかたです。
すこし前に映画にもなって、ジャズ界では話題になりました。
この Home は、"Trio In Tokyo" の中の曲です。
ぼくがミシェル・ペトルチアーニの演奏で一番聴いた曲です。
ちょっと悲しげなメロディと、熱いピアノソロ。
後テーマに帰ってきたときのアンソニー・ジャクソンの "抜き" に、ドキっとします。
そう、ベースは Anthony Jackson / アンソニー・ジャクソン。
このひとも病気に苦しめられたミュージシャンです。
ちなみにぼくは一時期、彼にあこがれて6弦ベースを弾いてました。
語りだすと長くなるので、ひとまずこのくらいで。
Lars Jansson Trio - Hope
ラーシュ・ヤンソンの "Hope" です。
Lars Jansson / ラーシュ・ヤンソン は、スウェーデンのピアニスト。
北欧ジャズの代表格です。
北欧って、音楽にしても家具にしても、なんでこんなにふわふわしてキレイなんでしょうね。
無駄のない洗練されたイメージもあります。
この曲も本当に聴きまくりました。"Hope" の中の曲です。
ベースの Lars Danielsson / ラーシュ・ダニエルソン のソロもなんてキレイなんだろう。
Brad Mehldau "The Art of the Trio" - It's Alright with Me
聴いてみていかがでしょうか。小節の頭、とらえられますか?
「アートオブトリオ」の名前のとおり、アートな雰囲気ぷんぷんですね。
曲はスタンダードの It's Alright with Me 。
ピアニストは Brad Mehldau / ブラッド・メルドー です。
"Live at the Village Vanguard" の1曲目。
攻めた感じがして、ぼくはこの演奏が大好きです。
ブラッド・メルドーって変拍子なイメージがあるから、最初この曲もそうかなと思ってしまいますが、これは普通の4拍子。
でもこんなにスリリング。
2拍子の方が正しいかな。
ベースの Larry Grenadier / ラリー・グレナディア の独特なソロも中毒性があります。
メロディともバッキングともとれるソロ。音も太くてかっこいい。
これらの曲が聴きやすい理由
上にあげた演奏は、これからジャズを聴こうというかたにうってつけです。
実際とても聴きやすいですよね。
それには理由があります。
リズムパターンがイーブン
曲のリズムパターンにはいろいろあって、8ビート、16ビート、ボサノバ、ラテンなど、ジャンルとも絡む「分類」があります。
ジャズは「スイング」という、少しはねたリズムで演奏されることがほとんどです。
ジャズスタンダードはほとんどスイング。
でも上の曲はすべて「スイング」ではありません。
「8ビート」です。
ポップスでよく採用されるリズムパターンですね。
「スイング」はアメリカの文化なので、われわれ日本人にはなじみが浅いです。
なので上のような8ビートのジャズから聴くと、この世界にはいりやすいと思います。
テーマメロディがキャッチー
また3曲ともテーマメロディがキャッチー。
ハミングで歌えるメロディです。これも聴きやすくなる要素ですね。
もちろんレジェンドが弾いているからこそ、より耳にはいってきます。
ドラマーにも注目
ぜひドラマーにも注目して聴いてみてください。
とてもよい仕事をしています。
ドラマーは上の曲から順に、
- Steve Gadd / スティーブ・ガッド
- Anders Kjellberg / アンダーシュ・シェルベリ
- Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ
3人ともミュージシャンから愛されるドラマーです。
共演者の演奏をより引き立つようアシストする姿勢が、なんとも職人です。
共演者への愛情を感じます。
今回の記事は以上です。
ぜひ魅惑的なピアノトリオの世界を楽しんでくださいね。