この記事は、弓をフレンチにしようかジャーマンにしようか迷っているかたに向けて書きます。
両方経験のあるぼくが、感じている違いを書いてみようと思います。
■そもそもフレンチボウ・ジャーマンボウって?
ウッドベース・コントラバス(以下コントラバス)は弓のタイプを2つから選べます。
・バイオリンやチェロの同じ、手の甲が前にくる持ち方をする弓をフレンチボウとういいます。
弓を上からつかみます。
・それに対して下からつかんで、手の甲が裏にまわる持ち方をする弓をジャーマンボウといいます。
コントラバスはもともと「ビオラ・ダ・ガンバ」という楽器で、その頃はジャーマンボウ(下から持つ弓)のみでした。
その名残でジャーマンがあるわけです。
■ぼくの弓
コントラバスの弓、フレンチボウとジャーマンボウの違い
フレンチとジャーマンの違いがわかったところで、いくつか特徴を書いていきます。
日本ではジャーマンが9割以上
日本人のコントラバスを弾く人のほとんどがジャーマンボウを使っています。
日本で最初に海外へ習いに行ったひとがウィーンへ行き、ウィーンでジャーマンがメインであったことから、この状況になったと言われています。
習う先生がいない
この状況はつまり「日本でフレンチを選ぶと習う人がいない」ということになります。
これがぼくがフレンチを使い始めたときの一番の悩みでした。
結局チェロのかたにアドバイスをもらったり、ネットで調べたりで、フレンチに関してはほぼ独学で弾いています。
フレンチは商品が少ない
日本では上に書いたようにジャーマンユーザーばかりですので、フレンチボウが店頭に無いということが多いです。
ちょっと値段高いかも
ユーザーが少ないせいか、フレンチボウの方が値段が高いイメージがあります。
ジャーマンの方がパワーがある
ジャーマンの持ち方の方が腕の重さを乗せやすい感触があります。
ですので、力強い音はジャーマンの方が出しやすいです。
優しい音はフレンチ
逆にいえば、フレンチの方が優しい音色が出しやすい印象です。
低音側の弦はフレンチが弾きやすい
これは他ではあまり聞かないですが、ぼくは強く実感しています。
A線とE線はフレンチの方が断然弾きやすいです。
ゲイリー・カーが教則本で、「腕の長い人はジャーマン、短い人はフレンチが良い」と言っています。このことが関係あるように感じています。
ジャーマンの方が習得が楽
フレンチは最初のうち、人差し指と親指の間の筋肉が痛いです。
無駄な力が入るのですが、皆が経験することのようです。
ぼくも最初かなり悩みました。
フレンチの方が少数派を楽しめる
日本ではホントに少ないので、ちょっと特別感があって気分がいいかもしれません。
これはどっちでもいい話ですね。
でも地味に大事なことかもしれません。
「あのフレンチのひとね」っておぼえてもらえるかもしれませんね。
フレンチボウについては、
フレンチボウのススメ【コントラバス・ウッドベースの弓】
の記事もぜひ読んでみてください。
ひとまずジャーマンボウ・フレンチボウ、どちらか初めてみよう
結局どちらが優れているということはありません。
もしどちらが優れているなら、もう片方は廃れているはずです。
上手い人が弾けばどちらもキレイな音が出ます。
■インスピレーションで選ぶのもアリ
かっこいいと思う方を選ぶのでもいいと思います。
ぼくも最初はジャーマンで弾いていましたが、ステファノ・シャシャ、クリスチャン・マクブライドを見ていてフレンチに興味を持ちました。
杉藤の弓がオススメ
弓は国産の杉藤は安心してすすめられます。
サイズは 4/4を買います。
( 3/4はクラシックのソロ曲などで使います)
■ジャーマン(型番 Stan-1、旧400)
■フレンチ(型番 Stan-A、旧600)
松脂と弓ケースも
また松脂と弓ケースも一緒に買うと良いです。
ぼくは松脂のいくつかと、弓ケースを Amazonで買いました。
松脂については
「ウッドベース/コントラバス、おすすめの松脂3つ【音色重視のかたへ】」
も読んでみてください。
■■■■
ぼくは普段ジャズを演奏していてピッチカートで弾くことが多いですが、弓も好きでよく弾いています。
アルコって弾いていて気持ちがいいですよね。
この記事が参考になったら嬉しいです。
これからもコントラバスを楽しんでいきましょう。