ジャズにおけるウッドベースの右手の弾き方について、ベーシックな部分をお伝えします。
右手については、有名ベーシストのなかでもけっこう違いがあって、ただしいフォームといえるものが、あるようで無いのが悩ましいところです。
指の長さがひとによって違うのが、その理由だとぼくは考えています。
この記事では、ぼくがたくさんのベーシストを分析して得たエッセンスをもとに、右手の弾き方についてお伝えしていきます。
ウッドベースの右手の弾き方

使う指は2本なのですが、いろいろとバリエーションがあります。
親指は指板からはなさない
まず基本として、親指はずっと指板とくっついたままにします。
指板のヘリにふれたままです。
ふれたままではありますが、すべらせて当たる位置が変わるのはOKです。
そうでないと4本の弦を自由に弾けませんね。
親指をはなして弾く有名なかたもいますが、あくまで例外です。
人差し指と中指をそろえて弾く
2本の指をそろえて、1本の指のようにして弾きます。
ポール・チェンバースのスタイルです。
正確には、ポール・チェンバースというより、昔から伝わる伝統的な弾き方といった方がよいかもしれません。
いまでも多くのベーシストがこの弾き方をしています。
弾き方としては、そろえた指を弦に垂直方向に動かします。
弦をおおきく振幅(しんぷく)させることを考えましょう。
スナップを効かせるとベター
スナップを文章で伝えるのはむずかしいですが、コツとしては手首から先をリラックスさせることにつきます。
「手首から先を自分のものじゃない」と思うくらいに扱うとよいです。
リラックスすると自然にスナップを効かせられますので、まずはリラックスを意識しましょう。
※手首のスナップについて、別記事も書きました。
» 手首のスナップ、最初は大げさにやろう【ジャズベースのピッチカート】
オルタネイトピッキングへ進むまえに
2本そろえる弾き方に慣れたら、オルタネイトに進みましょう。
2本交互に弾くことです。
速いフレーズはオルタネイトの方が、やはり楽です。
ただし、そのまえに1本ずつ練習することをすすめます。
人差し指だけでピック、中指だけでピック、ですね。
オルタネイトがうまくいかない原因に、どちらかの指がうまく弾けていない、というのが多いからです。
オルタネイト
1本ずつ両方の指でうまく弾けるようになってきたら、オルタネイトにチャレンジしてみましょう。
コツは2本の指の下に空間をつくることです。
ななめ上の空中から弦へアプローチするかっこうになります。
オルタネイト(速弾き)
さらに高速のフレーズを弾く場合は、エレベ弾きをします。
より弦と指を垂直にして、速く弾く体勢をつくります。
弾きにくい場合は、弦高を少しさげると弾きやすくなります。
ぜひパーカーフレーズなどにチャレンジしてみてくださいね。
ウッドベースの右手は、けっこう人によってちがう

上でも書きましたが、有名ベーシストの間でも、けっこう右手のフォームが違います。
レイ・ブラウンは人差し指のみ
レイ・ブラウンが人差し指だけで弾くのは有名ですね。
ただ、レイ・ブラウンはオルタネイトでも弾けるにもかかわらず、1本で弾いているそうです。
おそらく1本の方がコントロールが楽だからだと思います。
ダイナミクス(音の大小)は圧倒的に1本の方がつけやすいです。
ポール・チェンバースが指をそろえて、すべてを弾いているのも、同じ理由かもしれませんね。
ロン・カーターは中指メイン
ロン・カーターは中指がメインです。
実はぼくも中指がメインです。
このあたりは、好みなども関係しているかもしれません。
記事はここまでです。
この記事は「ウッドベースの始め方、独学の練習法【初心者から中級者になるまで】」というページの一部分です。よろしければこちらもご覧ください。